ナラティブアプローチ
今注目されているナラティブアプローチを今回はご説明します
「ナラティブ」という言葉は、日本語では「物語」と表現できます。
よく考えてみると「物語」は「言葉」で構成されています。
ですから私たちの言葉が私たちの生きる世界を形作るという考え方もできます。
こうした考え方は「社会構成主義」と呼ばれ、現在様々な領域で注目されています。
少しづつ注目を集めているこの「ナラティブ・アプローチ」ですが・・・
専門家以外はほとんど知られていません。
ここでは一般の方にもわかりやすく説明していきます。
この考え方のベースはこのような考え方です。
言葉が先にあって、この言葉が指し示すような形で世界が構成される
どういうことかというと・・・
私たちは客観的事実ではなく言葉を頼りに現実を認識し、自分の生きる世界を見ているということです
「語り」は「物語」を生むと同時に、「物語」は「語り」を生みます。「語り」と「物語」の相互的で継続的な関係を一言で表す言葉が、「ナラティブ」という言葉です。
ホワイトとエプストン|問題の外在化
マイケル・ホワイトとダビッド・エプストンが1990年に創始された、新しいカウンセリング理論
「問題が問題であり、人や人間関係が問題ではない」という考え方をします。
具体的な治療プロセスは「問題」を「外在化」し、問題に名前をつけ、自分と問題を切り離すことで、解決を図ります
問題の「外在化」を行い、「ユニークな結果」の存在に気付き、その存在に注目することで「ドミナントストーリー」を打破し、別の新しい物語「オルナタティブストーリー」を作ります。
グーリシャンとアンダーソンの会話モデル
「無知の姿勢」として知られています。
一言に無知と言ってもよくわかりにくいので少し説明します。
ここでいう無知のポイントは2つ
・「無知」とはカウンセラーの立場が常にクライエントに教えてもらう立場であること
・またカウセラーが「自分は何も知らない」「もっとよく知りたい」「教えてもらう」という基本的な姿勢であること。
無知であるとは、カウンセラーがそれまで重ねてきた経験と理解が絶えず新しい解釈によって刷新されていくことを意味しているようです。
まあ確かにこれができればクライアントの物語に対してすごく興味が持てるようになります。
人によってはこれを「ヒーローインタビュー」などで表現したりしていますよね
またカウンセラーが常に今までの理解を更新し変化させていくと、クライアントの会話の領域が拡大し「未だ語られなかった物語」が語られる余地が生じます。
「未だ語られなかった物語を語ることが、新しい「自己物語」を生み、新しい「自己」を構成していくと考えられています
活用に当たっての注意点
クライエントがどのような世界観を持っているのかを興味深く感じ、相手に多くのクライエント自身の物語を語ってもらう必要性があります。
それによって問題を外在化し、クライエントの望む結果を探していく方法と考えられています。
それを行うにあたってはやはりカウンセラーとクライエントのラポールがとても重要になってくると言われていますし、
まあこのラポールができているとクライエントの物語がよりスムーズに出来上がっていくと感じます
ここではナラティブアプローチの成り立ちについて解説してきました
より実践的なナラティブアプローチを知りたい方はこちらをご覧ください