自己開示とは一体なんなのでしょうか?
カウンセラーやコーチングを学んだ方であるならこの
「自己開示」という言葉を知っているかたもいるかもしれません。
今回はカウンセラーやコーチとして必ず必要なスキル「自己開示」について解説します。
自己開示の意味
ではまず自己開示の意味から解説してきます。
自己開示というのは心理学の用語になります。
補助者が自分自身に関する情報を、計算や意図を入れず、ありのままに伝えること
という表現になります。
ここで大事なのは「ありのまま」ということです。
自己開示の効果
自己開示の効果としては様々ありますが
主な効果はクライアントとの信頼関係が築きやすくなるもしくは強固になるということです
自己開示とは自分の情報を出すということです。
相手と信頼関係が出来上がっている状態なら相手の話をよりも自分の話を聞いて欲しいと人は思います。
しかしまだ相手のことがよくわかっていないのに、自分の話ばかり聞かれるとどうでしょうか?
イメージして欲しいのは、初対面の人に「何か困ってることないですか?」と聞かれても・・・
答えにくいですよね
「困ったことを言って断られたたらどうしよう?」
「相手を逆にこまされたらどうしよう?」
「本当話を聞いてくれるかな?」
多くの疑問が相談者によぎります。
私たちは相手に信頼しない限り、相手に自分の情報を渡したくないのです。
相手の信頼を得るためのに自己開示というスキルがあります。
では具体的にどのような例があるのでしょうか?
自己開示の具体例
自己開示の具体的な例を説明する前に
解説しておきたいのは自己開示には主に2つのパターンがあるということです。
①情報の自己開示
②感情の自己開示
と呼ばれるものです。
①情報の自己開示
自分の情報を相手に伝えるということです。
自分の住んでいる場所や学歴、家族構成、悩み、葛藤など
自分が今現状を相手にお伝えするという「情報の自己開示」と言われるものです。
相手情報を聞くことによって個人情報を伝えてくれたという安心感や
もしくはその情報の中に自分との共通点を探し出して相手との信頼関係を持とうとします。
具体的には
「私には奥さんがいるのですが、毎日いつもいつも怒られているんですよね〜。出したものを片付けなさいとか洗濯物はきちんと洗濯物カゴに入れないとかですね・・・」
などのになります。
この例で言えば男性限定ですが、「自分も言われる」と共感したり、もしくは「先生も大変なんだな」などと個人の情報を与えたことで安心感を与えたりする効果があったりします。
このようなパターンが「情報の自己開示」です。
②感情の自己開示
2つ目が「感情の自己開示」と言われるものです。
感情の自己開示とは言葉の通りで自分の感情を相手に伝えるというものです。
感情の自己開示は自分の今感じている感情をありのまま伝えることです。
自分の気持ちをありのままに伝えることで、自己一致(自分の考えの心と体が一致する)が起こり、
相手の影響を及ぼすことができるようになるのです。
具体的には次のような感じです。
「今の話を聞いて、少し違和感を感じたのですが〜〜さんはどのように思いますか?」
自分の気持ちを先にお伝えして、どう思いましたか?と質問する場合などにお伝えします。
これはクライアントの言葉が全て本当のことを言っているわけではないといういうことです。
それが声のトーンや姿勢、目の動きなど言語外の表現で伝わった場合に違和感を感じるのです。
その違和感を自分自身が感じたのならそれをありのまま相手に伝えることで内省してもらうことに使わたりします。
主に2つの分類ができる自己開示です。
しかしここで疑問を持たれる方もいらっしゃいます。
そもそも相談者は相談をしに来ているのに、非相談者の話を本当に聞きたいものだろうか?
もしくは対人支援をする際に自己開示は本当にする必要があるのでしょうか?
という疑問です。
もちろん必要あるかないかと言われると相手次第ということになりますが、私の経験として自己開示をしないとどうなったのか?というのをお伝えしていきます。
自己開示しないとどうなる
自己開示しないとどうなる?別にどうなるということはありません
しかし自己開示している時としていない時では大きく違いがあるように私は感じています。
その最も大きな理由は
信頼関係
です。
自己開示を意識的にするようになってから自分のプライベートや今自分が思ったことをフィルターを通さずにありのままのことを話すようにしています。
もちろんクライアントの許可を取って話します。
「今自分がちょっと感じたことがあるのですが、お話しても良いですか?」
このようにお聞きして自分が今思ったことや感じたことを話すようにしています。
カウンセリングやコーチングの場ではクライアントの時間であるので私の場合は許可をとるようにしています。
個人的に言えば、毎回するかどうかは被相談者次第ですが、最初のうちは絶対にした方が良いと考えています
しかし自己開示が必要ですよ〜と言われても最初はなかなか出来なったのです。
自己開示をすることで「先生」という位置付けが揺らぐのではないかと危惧していたのです。
しかし、実際にやったらわかるのですが、自己開示で位置が揺らぐということはありません
そうはいってもやはり人は不安なものです。
実際に教えた生徒たちに自己開示をしたほうが良いよ〜と言っても私同様に難しく感じる方が多かったです。
ですのでここでは自己開示ができなかった理由は3つほど出てきました。
理由がわかれば何をどうすれば見えてくると思います。
自己開示が苦手な理由
自己開示が苦手な理由は私自身も最初経験したので幾つかあるように感じます
主に3つの理由があるかな?と考えています
①やったことがない
②やる必要性がない
③自分に自信がない
以上の3つが主な理由です。
自己開示が苦手な理由①やったことがない
これはシンプルにやったことがないという理由です。
これは頭でわかっていてもやったことがない場合に最初の1回目がハードルを高く感じます。
初めての行動はハードルを感じやすく感じるものです。
なんでもそうですが、最初の一歩は躊躇してしまいます。
でもせっかく自己開示というスキルを得たならば一度はちょっとの勇気があれば簡単です。
クライアントには行動を促すのでしたなら、被相談者は絶えず自分も怖さやだるさにチャレンジしていた方が良いと考えています。
もちろんするしないは自由とも思っています。
自己開示が苦手な理由②やる必要性がない
そもそもやる必要性がないと感じている場合です。
カウンセリングやコーチングを習うところにもよりますが・・・
傾聴が大事だ
ということはどこでも教えていることだと思いますが・・・
自己開示の必要性を伝えているところはまちまちかな?
という印象です。
伝えているところもあれば伝えていないところもあったりします。
受講生の時に伝えられていない場合そもそもこの自己開示の意味さえわからないかもしれません。
しかし学びを続けていればどこかの場所やタイミングでこの「自己開示」というものにたどり着くと思っています。
私個人的には絶対に必要なスキルではないかな?と思っています。
自己開示が苦手な理由③自分に自信がない
実はこれが隠れた理由として一番多いのではないかな?
と思ったりします。特にまだ経験数が足りない場合このような不安が出ていたような気がします。
私自身も自己開示を最初躊躇した理由はこの自分に自信がないという不安でした。
正確に私の場合の表現をするのなら
「自己開示して失望されたらどうしよう」
という不安でした。
コーチとしてカウンセラーとして自分を信頼している人の期待を裏切るのを何よりも不安視していたのです。
その結果この「自己開示」という手法を頭ではわかっていたのですが使うのを躊躇していました。
以上3つが自己開示できない理由になります。
では自己開示ができたならすべてうまくいくのか?
もちろん全てうまくいくというわけではありません。
いかに信頼関係を持って相手がノリノリで話をするのかが重要です。
他にも相手との信頼関係を作る方法はいろいろありますのでよかったらこちらに記事を載せておりますのでご覧ください
同じような悩みを解決できると思いますよ
自己開示のまとめ
自己開示とは「補助者が自分自身に関する情報を、計算や意図を入れず、ありのままに伝えること」
自己開示の効果は相手に安心感を与えることができる。また信頼関係を得やすくなる
コーチやカウンセラーが自己開示をしない理由①やったことがない②やる必要がない③自信がない
私自身は意識的に自己開示はしようとしています。
これは理由としては大きいところは「自己一致」と言われるものを大切にしているからです。
自分が思っていること、感じていることを話すのはとても勇気が最初は入ります。
私も最初はあまりしようとしていませんでした。何を恐れていたのかと言いますと相手が不快に思ってラポール(信頼関係)が途切れてしまうことをおそれていたと思います。
しかし数をこなせばそんな心配もなくなりますし、もし途切れてもまた作り上げれば良いと思うようになりました。
まあ今思うと「自己保身」がさきに立っていたのかな?と思います。
ですので今勉強中の方はどしどし自己開示をされてみてください〜
では一度壊れた信頼関係をどうやってまた築くことができるのでしょうか?