後付けバイアス〜人は好きなものを信じたい

今日は「後付けバイアス」について解説です。

似たようは言葉として確証バイアスがあります。

まあ似ているようで似ていないので解説していきます

簡単にいうと「後付けバイアス」は

「やっぱりそうだと思った」

という感じです。

結果が出てからあたかも自分の予想が的中したような気持ちになる心理反応です。

後付けバイアスの具体例

例えば、友人の一人がトランスジェンダーであることをカミングアウトしたとします。

友人なので少し変わった人だなというぐらいの感覚しかなかったのに

あたかも「でしょ!私も以前からそうじゃないかと思っていた」

と思ってしまうことです。

自分のちょっとした予想や可能性段階で検討していたことをあたかも以前から知ってました、もしくは確信していたんだよねなどと自分の予想を本来よりも強いものと考えてしまうことです。

ではどうして後付けバイアスが起きるのでしょうか?

後付けバイアスが起きる理由

理由は簡単んです。

予想が当たったと思った方が「ここち良い」からです。

人は健全な心理状態の際は

基本自分のことが好きになりたいという本能があります。

ニーズ的にも

人のよりも優れている

という優越感のニーズを人は基本的に欲しています。

そのことから予想があたった〜というのはとても嬉しいものなのです。

似たような例でこんな話がありませんか・・・

最近テレビで活躍している人を見て

「私も以前からこの子チェックしてたんだ」
「やっぱりビックになったよね。最初見たときこの子は違うとわかったんだよね」
「絶対この子は綺麗になると思っていた」

などあたかも自分の予想通りかのようにおもってしまい、自分の先見性が正しかったというのを声だかに叫んでしまうのです。

これを利用してビジネスにしているものが多くあります。

後付けバイアスを利用したビジネス

この後付けバイアスというのはとても心地よい気持ちにしてくれます。

また程度の差こそあれ、声だかに叫んだとしても人に否定されるリスクは限りなく低いものです。

これらを巧みに利用したビジネスがあります。

・野球やサッカーなどスポーツ観戦
・ジャニーズやAKBなどのアイドル応援
・競馬や競輪などのギャンブル

これらの多くはこの後付けバイアスを上手に利用しています。

私もこれらをしたことあるのでよくわかります。

野球などでブレイクした選手を見て

「そうだろう!こいつはくるって以前から言ってたやろう?」

などと言ってしまいがちです。たとえ本人が「こいつがくる」という人を1000人ほど言ってたとしても、この後付けバイアスでとても心地よいのです。確率としては1/1000だとしてもです。

まあ後付けバイアスの良いとこを説明ばかりしてしまいましたが、当然心理効果なので逆に「負」の側面で働くことがあります。

後付けバイアスの「負」の面

先ほどは後付けバイアスの良い点やビジネスで上手に使う面

これからは負の面を説明します。

「負」の面はシンプルで何がうまくいかなった際にこれが逆に働くということです。

「やっぱりあいつはダメやったか、難しいとおもっていたんだよ」

などと声を聞いたことがないでしょうか?

スポーツでもアイドル応援でもギャンブルでも同じで・・・

うまくいなかったら「やっぱり・・・」と言ってしまいます。

これは自分自身を守ろうとする心理反応です。

失敗は痛いけど、自分の予想は当たったという感じにすることにより

大きな「痛み」を避けることができるのです。

このように後付けバイアスは「快楽を得る」「痛みを避ける」両方に使うことができるので

人は知らず知らず使ってしまっているのです。

これがもしあなたの人事部や上司が癖のようにしていたらもっと悲惨です。

失敗するたびに

「やっぱり・・・」

となってしまいます。

またこれを読んでいるのが上司の立場であれば同じように

「やっぱり・・・」

と思ってしまうのです。

ここで誤解がないようにお伝えすると

この後付けバイアスを無視しろということを言っているわけではないのです。

あくまでも「後付けバイアス」が知らずに私たちは働いてしまいますので、注意してくださいね

ということをお伝えしたいのです。

このことを理解しておかないと後付けバイアスで評価を受けた部下や子供ましてはお客様などは激怒しますよ

ということなのです。

後付けバイアスのまとめ

後付けバイアスは当たった結果を大きく勘違いする

他人に否定されにくい

快楽を得るにも、痛みを避ける行為にも使われる

心理反応なのであまり拒絶するのではなく、ああ〜働いているな〜などと思ってくれれば良いかなと思います

 

ABOUTこの記事をかいた人

運営者:高木鉄平 1978年生まれ。26歳から事業を起こし累計で30億円以上売り上げた実績を持っている。 2010年よりコーチングやカウンセリングを主体とした人材育成を各種企業団体で行っている。育成人数は述べ5000人以上!詳しいプロフィール「高木鉄平」をクリック