今日は実際にハローワークでのキャリアコンサルティングがどのようにされているのか?
を解説していこうと思います。
そもそも一番大事な問題としてハローワークではキャリアコンサルティングが行われているのか?という点です。
ハローワークでのキャリアコンサルティング
まず確認しないといけないのはキャリアコンサルティングとは何をどうすることなのか?
ということです。広義の意味でのキャリアコンサルティングはハローワークで行われています。
実際に求職者がハローワークにきますので、その中で希望を聞いて職員が求職者にあった求人を提示する
という形が1つ出来上がっていますので、キャリアコンサルティングが行われているということは言えるでしょう。
また今現在多くのところで職員はキャリアコンサルトの資格を持っていますので、
キャリアコンサルタントが求職者のために、職業を探し提案している
ということは間違いがないと言えるかもしれません。
しかし・・・多くの方がこの話を聞くと
「えっ!ハローワークでそんなことしてもらっていないよ」
と思われる方が多いと思います。
ここではキャリアコンサルティングは広義の意味ではされていますが、ニーズにあっていないということが問題なのです。
求職者のニーズを考えると・・・実は様々なニーズがあります
しかし実際にはこの求職者のニーズもしくは全体を通してのライフデザインまで考えて相談業務をしておられる方は少ないと思います。
誤解がないようにお伝えしたいのですが・・・
ニーズに適したキャリアコンサルティングができる能力がないとか意欲がないとかいう訳ではないのです。
私が知っているハローワークで働くキャリアコンサルタントは、誠実で真面目な方ばかりです。
しかし・・・
実際はニーズに即したキャリアコンサルティングができていないと多くの方が嘆いています。
その理由はいくつかあります。
ニーズに即したキャリアコンサルティングがハローワークでできない理由
ここでまずハローワークで受付している方々についての理解が必要です
実際ハローワークにいるキャリアコンサルタント(受付業務)をされている方々は実は契約社員がほとんどなのです。
そう!正社員ではなく契約社員なのです
もちろん全員ではありませんが、ほとんどの方が契約社員です。それも1年更新の契約社員です。
ですからハローワークが契約を更新しないと言われればそれで終わりなのです。
でハローワークは当然横のつながりもありますから1年で契約更新されなかったとかなれば・・・
「何か問題があったのかな?」
と勘ぐるのは当然だと思います。
ですのでハローワークで働いているキャリコンはまずはハローワークの意向を考える必要があります。
これはどの企業でも一緒だと思いますが、契約社員ならなおさら契約更新がされないと怖いので、なるべく上の指示や要望に沿おうとするのです。
では、ハローワークを多くのキャリアコンサルタントに求めていると思いますか?
ちょっと考えたらわかると思います。
専門家を雇っている理由は、専門家ならではの結果です。
では結果とは何かというと
「どれほど就職させたかという数字です」
まあこれも当然ですよね?民間にも数字目標があるように、ハローワークにも目標数字があるのです。
ですので数字に貢献する方は評価をするし、そうでない方は評価は下がります。
その結果が更新の時に出る訳です。まあハローワークも国に従事している企業なので露骨なことはしないと思いますが・・・
ぜひ契約を更新したいと思う人とそうでない人がいるのは管理するのが人間ですので致し方ないです。
まあ結局税金を効率的に使うためには致し方な考え方だと思います。
ここで何を伝えたかったのか?というとハローワークが全部という訳ではないですが・・・
数字目標を持っている、それに貢献する職員は評価するという仕組みがあるということです。
そのことがハローワークでキャリアコンサルタントにはとても大切であるということなのです。
なぜか?ハローワークでキャリアコンサルタント(受付業務)をしている方々は今の相談業務が多くの方が大変だと思っていますが、やりがいもやる気も、仕事に対する情熱を持っているかたがたが多いからです。
ハローワーク以外でも仕事はあるでしょ?と思われる方もいると思います。
しかし実際にはキャリアコンサルタントとして活動するには募集が少ないのが実状です。
キャリアコンサルタントの資格があれば人事系の仕事につきやすいということはあるかと思いますが、あくまでも人事系の仕事であって専門職としての仕事でなかったりします。
専門職を生かすなら人材派遣会社などになります。常に募集はかかっています
しかし多くの場合は契約社員の募集だったりするのです。
では契約社員の募集の中で一番その能力が発揮しやいのがハローワークなのです。
あと世間体も良いですよね〜ハローワークで働いています。というと多くの方は1度くらいはお世話になっているのでイメージもしやすいし印象も良いのです。
このような前提から考えるとハローワークでどうしてニーズに即したキャリアコンサルティングができにくいかがわかってきます。
理由は単純に3つあります
①時間がない
②結果に繋がらない
③そもそも相談者が知らない
この3つが主な理由になります
ではもう少し解説をしていきますね
ハローワークでキャリアコンサルティンがしにくい理由
①時間がない
まあ当然ですね〜時間がない訳ですよ〜
まず多くの方がハローワークに来ています。
その中で数をこなす必要があります。
本当は細かくフォローしたいのですが、実際にはそれをやれるほどの人的余裕がないというのが現状です。
ハローワーク自体もオンライン化を進めておりますし、どんどん人員を削減しております。
システムを入れてどんどん効率化をしていますので、その中でキャリアコンサルティングを一人一人丁寧に行う時間的余裕などないのです。
②結果に繋がらない
これは対人支援業務でよくあることなのですが・・・
最初に本人が決めたことに対して、対人支援業務をされている方はそれが本心なのかそうでないのか?がなんとなくわかります。
特別な能力という訳でなく、経験でそこがわかってくるのです。
またこの方の能力なら他の仕事の方が向いているのでは?能力発揮できるかな?
とおそらく受付業務をしている方々も思うと考えられます。
しかし、それを言ったところで相談者を迷わせるだけにしかなりません。
実際に専門家の方に「本当に大丈夫ですか?」などと言われたら多くの人が迷いが生じます
そうなると就職に繋がる結果のはずが、迷わすことになり、下手をすると結果に繋がらなくなりリスクもあったりする訳です。
ですので結果に繋がらないことをわざわざしないという行動に自ずとなってしまう方が多くなってしまいます
③相談者がそもそもキャリアコンサルティングを知らない
3つ目の理由はそもそも相談者が、相談という行為をして良いのかわかっていない
という問題もあります。
ほとんどの方がハローワークではPCの端末でめぼしい求人情報を探して、それを持って受付に行って、許可してもらって連絡しても良いか確認する
ぐらいの感覚なんだと思います。
それ自体は間違っていないですし、その通りですが・・・
自分の適正や迷い、今後のライフイベントを考慮しての職探しなどの込み入った話までして良いのかどうかをわかっていないという現状があるのです。
求められていないにも関わらずこちらからしっかりとしてキャリアコンサルティングをしましょうか?などとなかなか担当者としては言いにくいものなのです
以上の3点が主にハローワークでキャリアコンサルティングが進まない理由です。
ではハローワークではキャリアコンサルティングを受けることができないのかということそうではないのです。
実はハローワークでは求職困難者という枠組みを作っており、その求職困難者に該当する方々には手厚い相談窓口が準備されているのです。
ではハローワークでいう求職困難者とはどのようなものたちなのでしょうか?
国が定めた求職困難者とは?
求職困難者とは読みどおり、仕事を探すのが大変な方ということです。
簡単にいう求職して働くには少し困難を伴う方々です
受け入れ先の企業の協力や理解が必要であるとも言えるかもしれません
具体的にいうと、シングルマザーやシングルファザー、高齢者、元ニートの方、身体障害者や精神障害者など
少し働くには大変な方々のことを求職困難者と言います。
これらの人はある程度の規模の市町村では別に専門の窓口があったりしますのでそちらを利用する方が正しいと思います。
わかものハローワークやマザーズハローワーク、障害者職業相談コーナーなどの名称でハローワーク内にあったりします。
相談員も専門の方なのでゆっくり話を聞いてくれる方々が多いと思いますので、求職困難者はぜひこちらをご利用した方が良いですね
まとめ
ハローワークで受付をしている方々はキャリアコンサルタントの資格をもつ専門職ですが契約社員の場合が多い
実際に丁寧なキャリアコンサルティングを行なっていると言える場合は少ない
求職困難者には専門窓口がある場合もあるのでそちらを利用がおすすめです
では実際のキャリアコンサルタントはどのような仕事や役割をすることが正しいとされているのでしょうか?