ピア効果とは?経済学や教育心理学での使い方の違い!?

ピア効果とは?経済学や教育心理学での使い方の違い!?

今日はピア効果について解説していきます。

ピア効果とは元々教育心理学や行動心理学などで使われていた言葉になります。

ここでいうピアとは英語で言う「peer」です。

「peer」の意味としては、仲間や同僚、同等のものなどの意味があります。

ではこのピア効果とはどのような効果のことなのでしょうか?

実はピア効果には2つの効果があります。

正のピア効果と負のピア効果です。

ピア効果とは?

元々は教育心理学や行動心理学などの研究から始まった効果検証です。

一人で勉強させるよりも、同等の知識や仲間などで学習した方が

知識の習得などに効果があるのではということを検証した結果

明らかになった効果です。

アメリカの実験ですが

自転車を単独で走行した場合と

自転車を数人で競争した場合を比較すると

競争して走行した場合の方が早かったという実験です。

単独の場合が手を抜いていたということではなくです。

この実験結果から私たちは相手に負けたくない問いう心理が

モチベーションになり、その結果思った以上の結果を出すということなのです。

さらにこのピア効果は面白いもので、

個人戦よりもグループ戦に強さを発揮します。

詳しく書きますと

個人で行う作業よりも、グループで行う作業で方が圧倒的に

効果が高かった

ということです。

つまり同じゴールに向かう仲間がいるほど

作業効果が高くなるということなのです。

ただ競い合いにもそれぞれ条件があったりします。

誰とどう競い合うのか?それが重要になるのです。

良い緊張感がないとこのピア効果は発揮されないと言われています。

例えば、競い合うにしてもあまりにも実力差があり。

勝負が最初から見えている場合などはピア効果は発揮されにくいのです。

「真剣にせずとも勝てる」
「どうせ勝てない」
「勝負する意味がない」

などの思いは緊張感が高まらないからかもしれません。

しかし良い競争相手や仲間がいれば作業効率は著しく上がるのです。

ここまで書くいいことづくめのようなきがするピア効果ですが、当然メリットがあればデメリットがあったりします。

ピア効果を学び始めたばかりの時は私も多くの作業を同じレベルの方同士を切磋琢磨させれば効果が高いのでは?

思ったものでした。

しかし実はこのピア効果先ほど述べたようにメリットデメリットがあります。

メリットを最大限に考える考え方を「正のピア効果」

デメリットを最大限に考える考え方は「負のピア効果」

という表現になります。

正のピア効果もあれば・・・

負のピア効果もあるのです。

ではまずは負のピア効果とはどのようなものなのでしょうか?負のピア効果を解説していきます。

負のピア効果とは?

正のピア効果はお互いの実力が近いもの同士を競争させ

作業効率を上げていく効果となりますが・・・

ピア効果が作用しない場合やむしろ逆に良くない効果が出ることを

負のピア効果

と言います。

例えば

競争相手が適切でなかったり

競争期間が長く常態化したり

競争する指標が適切でなかったり

と一言に適切な競争と言いますが、

以外と実際にしてみると無理があったり、

不公平感があったりと意外と難しかったりするのです。

人によって立場や環境が同じように見えても・・・

それぞれ違いますから安易な競争ばかりを促すと・・・

その競争に嫌気がさし、生産性が上がるどころが落ちていく

ということがままあるのです。

この生産性が落ちていくことを

負のピア効果といいます。

職場や会社で行われやすいことは

競争に賃金を反映させていくということです。

間違っているわけではありませんが、

適切に対応しないと

正のピア効果ならず負のピア効果にしかならない状況に

なってしまいますので注意が必要です。

実際に多くの企業が報酬で正のピア効果を狙っていきます。

しかし、報酬規定では競争とは言っても、その方が持っているリソースや資源などは人によって様々です。

その中で競争しろと言われても勝ちやすい方は良いですが、どう考えても不利な方は余計な不満や不安を覚えてしまうのです。

ではどうしたら良いのでしょうか?

私はピア効果を最大限に発揮するには2つのこと意識することが大事だとお伝えしています

正のピア効果を発揮するための2つのポイント

正のピア効果を継続的に発揮するためには2つポイントがあります。

1つは先ほども述べました「グループ単位」での競争です

正のピア効果ポイント「グループ」

私たちはグループという形で競うこと好きな方が多いのです。

特に日本人はそれが顕著のように感じます。

日本人はもともと農耕民族的な意識が強いので仲間意識がとても強いのです。

ですので仲間で何かをなすということが得意だったり、

誰かのために頑張るということが嫌いではありません。

このことを鑑み、個人戦とするよりも戦力やリソースを分類して、グループ単位で競争することがとても効果的だと思われます。

正のピア効果ポイント「無報酬」

これは意外に思われる方も多いと思いますが・・・

基本私は正のピア効果を継続的にするためには

「無報酬もしくは微報酬」

が良いと思っております。

理由はいくつかありますが・・・

一番は目的が変わってしまうのです。

最初は競争時代を楽しむことができます。報酬がかかってくるとそれによって盛り上がる方も多いのですが、逆にやる気を削がれる方が多いのです。

これら心理作用のことをアンダーマイニング効果と言われています

簡単に説明しますと、自分が楽しんでいたものを他の方のお節介を受けると楽しくないものになってしまうというものです。

具体的には・・・

ドッチボールを楽しんでいた小学生たちに

「勝ったほうが掃除当番を免除」

などと先生が言った場合、小学生たちは楽しさを目的としてドッチボールをしたのにその目的が「掃除をしなくて良いため」という形にすり替わってしまうのです。

これは一時的にやる気やモチベーションを引き出すことに対しては良い方法かもしれませんが・・・

例えば勝敗がはっきりしたり、絶対にもう負けるとわかってしまった場合、多くの方は急にやる気を無くしてしまうのです。

「ドッジボール」を楽しむという目的だった場合は、最後まで負けても勝っても最初の目的通り「楽しく」できたのに急にできなくなってしまうのです。

ですので正のピア効果を継続的にするつもりなら単に「報酬」ではなく、知恵を絞る必要があるということなのです。

まとめ

ピア効果とは同じレベルのもの同士が切磋琢磨することで生産性を上げることを言う

ピア効果には正のピア効果と負のピア効果がある。

上手に設定しないとメリットよりもデメリットの方が大きくなっています。

ピア効果のことを理解し上手に使うことができれば大きな効果を発揮することができます。

ピア効果の個人的見解

いつも不思議に思うのですが・・・

人間の心理はとても面白いな〜と思います。競争は良いことだと私たちは小さい頃から教えられて来ました。

資本主義時代が競争を促すというのもありますが・・・

その中で私が思うのはピア効果の説明の中でも述べましたが、競争が嫌いだと思われている方も「グループ」ならとても競争が楽しめるという点です。

勝っても負けても楽しく感じることができる

というのが頭でわかっていてもやはり不思議な気持ちになります。

私たちのDNAがやはり群れるという行為が好きなんだろうな〜と改めて思う瞬間です。

競争が上手でない方はグループで競争してみるという意識でも良いかもしれませんね〜

報酬はやる気を削ぐ理由はこちから確認してください

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運営者:高木鉄平 1978年生まれ。26歳から事業を起こし累計で30億円以上売り上げた実績を持っている。 2010年よりコーチングやカウンセリングを主体とした人材育成を各種企業団体で行っている。育成人数は述べ5000人以上!詳しいプロフィール「高木鉄平」をクリック