中小企業白書(2012年版)によれば、「起業」した男性が最も多い 年代は60~64歳
今日は起業についてちょっと考えてみてみたいと思います。
起業すると考えて実際に実行するには様々な障害が訪れます
事業の見通し
家族の了承
自分への自信
などなど様々な障害を乗り越えて・・・
起業する!
と決めて実行できる人はどれくらいいるのでしょうか?
まあ人数はさておき今日ここではあらたな事実をお伝えします
それは起業している人の年代です
実は日本において一番起業は多い年代は・・・
若い野望を燃えたぎらせている20代ではなく
自分のビジョンを明確にしだした30代でもなく
体力・経験ともの充実した40代でもありません。
日本における起業家の年齢を世代別に見ると、最も多いのが
なんと
60歳以上で32.4%と1/3程もを占めているのです。
そうシニア層こそが一番起業しているのです。
60歳以上になり、ゆっくりしながらちょこちょこ仕事するみたいなイメージの方が多いとは思いますが
実は全然違っていて、60歳以上のシニア層が今バンバン起業しているのです。
もちろん高齢になってからの起業が良くないというわけではなく、実は起業を選ぶにはそれなりの理由があるのです。
どうして60〜64歳の層の起業が多いのか?
ということを考えてみようと思います
60代が起業を選ぶ理由
一般的に企業で働いていた方が、60歳を迎えた際にとるべき選択が3つあります
・既存の会社での継続雇用
・別の会社に再就職
・起業
多くの場合でこの3つの選択肢があります。
どれが一番良いのでしょうか?
いやいや継続雇用してもらうので一番いいでしょう
と思われた方も多いかもしれません。
確かに国も希望を出せば60歳以上でも働けるように指導しています。
実際多くの企業で希望すれば65歳まで働けるように改正高年齢者雇用安定法という法律で決まっていたりもします。
しかしこの法律は少し癖のある法律なのです
ではその中身を少し見ていきましょう
改正高年齢者雇用安定法
改正高年齢者雇用安定法とは急速な高齢化の進行に対応し、高年齢者が少なくとも年金受給開始年齢までは意欲と 能力に応じて働き続けられる環境の整備を目的として、「高年齢者等の雇用の安定等 に関する法律」(高年齢者雇用安定法)の一部が改正され、平成25年4月1日から施行されました。
この法律が改正された背景として、平成25年4月からの厚生年金の支給開始年齢の引上げられました。
60歳で年金をもらおうと思っていた方々は大混乱に陥ります。
そこで国はこの60歳の定年をなくそうと考えました。
というのはその当時の企業の多くの定 年が60歳だったからです。
このまま年金の支給年齢を繰り上げれば、60歳の定年以降、無年金・無収入となる者が生じる人が大勢いたからです。
その対策として国は定年制を65歳までにできないか考えました。
65歳までの継続雇用を企業に義務付ける(一定期間の猶予措置あり)ため、改正高年齢者雇用安定法という法律が考えました
するとこれに企業は猛反発!
そりゃそうでしょうね・・・
今まで60歳まで雇用を考えていたのに、いきなり65歳まで雇えと国が言ってきたんですから・・・
絶対反対!と企業側が猛反発しました
これにより国は企業側に考慮して企業に選択肢を与えることでなんとかこの法律の改正を成し遂げました。
この法律により、企業は
(1)定年年齢を引き上げる
(2)継続雇用制度を導入する
(3)定年制の廃止
のいずれかの措置をとることが求められるようになり ました。
しかし、ほとんどの会社は定年制廃止や定年年齢の引き上げを行わず、
(2)継続雇用制度の導入
を選択しているのが実情です。
どうしてほとんどの企業が⑵の継続雇用を選ぶのでしょうか?
ここに企業を納得させれた秘密があるのです。
それはこの⑵継続雇用は雇用の形態までは決められていないのです。
⑴⑶は選択すれば必然とその方は正社員のままの雇用になります。
しかし⑵の場合、正社員のままで雇用する必要はありません。
ですから多くの企業で⑵を選択しています。
ですから60歳以上の方は嘱託社員やパートタイマーのかたちで雇用することになります。
そうここがポイントなのです。継続的に雇用されるのですが正社員である必要性はないのです。
ですから社員ではなく嘱託やパート、アルバイトですから当然給与もそれに順じます
当然社員ではないですからね。役職もありません
定年前の59歳の時は1000万近くもらっていた部長職の方が継続雇用になった途端に嘱託になり年収が300万になるということも多々あるのです。
さて59歳までバリバリ働き自分に自身の持っているあなたが部長さんならどうしましょうか?
嘱託になり、給与も下がり、役職もとかれ、元の部下たちの元で働くのか?
一念発起して自分のやりたい仕事に従事しようと思うのか?
または新たな会社へ再就職の道を探しますか?
どの選択肢を選びますか?
60歳の起業が多い背景にはこのような要因もあるかもしれないですね。
まあ若者のも負けていないと思いますので、次回は若者の仕事観について書いてみます