会社員にとって一番恐れるのはクビになることだと言われています。
そのクビのことを一般的には「解雇」と表現されるのですが
そもそも解雇はどのようなものなのでしょうか?
また解雇の種類はどのようなものがあるのでしょうか?
今日は「解雇」について解説していきます。
解雇の意味
解雇を簡潔に言いますと、使用者の労働者への一方的な契約破棄です。
わかりやすく言いますと、会社が社員に「あなたは辞めてください」と一方的に宣言し、その権利を行使することです。
主な解雇は3つの種類があります
「普通解雇」「整理解雇」「懲戒解雇」の3つです。
ではそれぞれを少し解説していきます
普通解雇とは?
身体の傷病による勤務ができない状態や、営業成績や勤務成績が著しく悪い場合、他の社員との協調性の欠如などの理由で一般的に考えて労働契約の履行ができないと考えられる場合になされる解雇の総称です。
主に整理解雇や懲戒解雇以外の解雇を普通解雇と呼ばれています。
しかし普通解雇も会社都合でバンバンできるわけではありません。
普通解雇をするためには以下の条件や要件が必要になってきます。
普通解雇を行うための要件には以下になります。
●就業規則等に根拠となる定めがあること
解雇事由は、労働者の権利ほどの目的と会社側の乱用を防ぐため労働基準法上、就業規則に必ず記載しなければならない絶対的必要記載事項とされています(労働基準法89条3号)。
解雇事由としては、たとえば、「心身の健康状態が悪く業務遂行が困難な場合」「勤務成績又は業務能率が著しく悪く、またその向上の見込みがなく、他の職務にも転換することができない、または就業に適さないと認められたとき」などがあります。
●解雇予告もしくは解雇予告手当の支払いをすること
労働基準法では、労働者を解雇する場合は、使用者が、30日前までに解雇の予告をするか、30日前までに予告をしない場合は、平均賃金の30日分以上の解雇予告手当を支払わなければならないと規定しています(労働基準法20条)。
●法律上の解雇制限に違反しないこと
各種法令において、以下の場合に該当する解雇は禁止されています。
・労働者の国籍、信条、社会的身分を理由とする解雇
・産前産後の休業中・業務上災害による療養中の解雇
・労働者が労働基準監督機関に申告したことを理由とする解雇
・労働組合員であることや組合活動をしたこと等を理由とする不当労働行為としての解雇
・女性であることや女性が結婚、妊娠、出産、産前産後休業を取得したことを理由とする解雇
・育児休業・介護休業等の申出・利用を理由とする解雇
●解雇権濫用にあたらないこと
労働契約法では、使用者の解雇権について、「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする」として、解雇権濫用を規制しています(労働契約法16条)。
このような普通解雇を行うにあたって制限が設けられています。
普通解雇を行うにはそれ相当の理由と条件が必要になってくるのです。
整理解雇とは?
整理解雇とは「会社の経営上必要とされる人員削減のために行う解雇」のこと言います。
普通解雇の一つになります。
会社の経営状況が悪くなり、その立て直しとしての人員整理をする場合がこの整理解雇にあたります。
これも会社の経営状況が悪くなれば整理解雇がすぐできてしまうと権利の乱用にあたりますので、
整理解雇については、裁判例の積み重ねにより、「整理解雇の4要素(4要件)」というものが確立しています。
ではその整理解雇の4要素を見ていきます
整理解雇の4つの要素
①人員削減の必要性
②解雇回避努力を尽くしたこと
③解雇される者の選定方法の合理性
④手続きの相当性
この4つがあります。それぞれ簡単に説明していきます。
①人員削減の必要性
人員削減の必要性があるかなしなのかが問われます。これもなんとなくではなく、客観的な事実や資料によって説明をする必要性があります
②解雇回避努力を尽くしたか?
解雇を回避するために具体的にどのような行動をしたかなどが問われます。
労働者に対する打撃が少ない他の手段(配転・出向、希望退職の募集等)を行っているかが問題となります
③解雇される者の選定方法の合理性
全員解雇でしたなら問題ないのですが、誰かは会社に残して、誰かは整理解雇の場合、その人の選定にどのような合理性があったのか?が必要になってきます
④手続きの相当性
整理解雇を実施するまでの間に、労働者に対して整理解雇の必要性やその具体的内容(時期、規模、方法等)について十分に説明をし、これらの者と誠意をもって協議・交渉を行わなければなりません。
懲戒解雇とは?
懲戒解雇は解雇の一種です。
他の「普通解雇」や「整理解雇」と違い罰を与えるための解雇になります。
一応企業秩序維持のために企業にはその権利が認められています。
その結果転職先に偽って「自己都合退社」と履歴書に記載した場合は、虚偽記載に当たったりしますが、現実問題懲戒解雇だったかどうかはなかなかわかりにくい場合が多いです。
まとめ
解雇には3つの種類がある
普通解雇:ただのクビ
整理解雇:業務悪化によるクビ
懲戒解雇:罰則によりクビ
と簡単に言うとこのような説明になるかもしれません。
人生においてあまり経験したいことではありませんが・・・
解雇と一言で言っても3つの種類がありますので、ご確認ください。
そもそも解雇の前に会社がどのような給与体系をしているのかを知っているかどうかでこれらのもらえる金額が変わってきます。
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