メタモデルの歪曲とは?意味や解説
今日はメタモデルの中の歪曲について解説していきます。
そもそもメタモデルとは・・・
私たちの言語はすべて正確に細かく言語として伝えていない場合が多いです。
何かしらどんなに正確に伝えようとしてもついつい何かが欠落してしまって相手に伝えています。
理由としては
私たちの脳はとてつもなく大きなエネルギーを消費します。
特に物事を考えている時にそのエネルギーは大きく消費しますので
脳としてはなるべく省エネを行いたい
それがゆえに私たちは全て語ろうとせずに
ある程度相手の推測で補ってもらおうとして話をしていきます。
その意識的無意識的は別にして
話している際に推測で補ってもらおうとするがゆえに
そもそも話から欠落している文言が存在しています。
その欠落した部分を補っていく手法がメタモデルという手法になります。
メタモデルには全部で3つの種類があります
1つは「一般化」「歪曲」「省略」の三種類です
簡単に解説していくと以下のようになります。
一般化・・・例外や可能性を考慮せず、一般化が行われるもの。
歪曲・・・・話の内容を省略化する中で、話の真実が歪められる
省略・・・・話の一部の情報だけが選ばれ、意味が不明瞭になる
とありますが、本日は「歪曲」について解説していきます。
メタモデルの歪曲
歪曲をわかりやすくいうと・・・
情報を整理しないで自分の考えだけで思い込むという感じです。
例えば
「社長に怒られてしまった。もう出世は無理だ」
こんな感じです。社長に怒られた事実はあるにしても、出世が無理だとは誰にもまだわかりません。それなのに決め付けている場合などがこの「歪曲」に当たります。
さらに歪曲は細かく分けていくと「メタモデルの歪曲」は全部で4つのパターンに分けることができます。
歪曲の4つのパターン
「等価の複合的観念」「前提の相違」「因果の欠落」「憶測の決定」
これを説明していきます。
①等価の複合的観念
等価の複合的観念とは例えばこんな感じです。
水道の水とコンビニで売っている水は水ということでは一緒です
このような並列に並んでいる場合、
「水道の水=コンビニで売っている水」
という図式になりますが、本当に同じとしてしまって良いのでしょうか?
水道の水とコンビニで売っている水は厳密言いますと
違いますよね?
水道の水はほぼ無料で手に入ります。
しかしコンビニで売っている水は有料です。
無料有料の違いだけでなく、安全性なども違うかもしれません。
しかしここではいかにも同列に扱っています。
極端な例でいえば
お金持ちの男も貧乏な男も同じだよ
このような文章や言葉はこの「お金持ちの男」も「貧乏な男」も同列に扱っています。
このように厳密にいうと違うのですが・・・
あるジャンルや種類においては一緒のものを同列に扱うことを
等価の複合的な観念という歪曲の一つになります。
②前提の相違
前提の相違とはどのようなものでしょうか?
これは前提が隠されているということになります。
例えば先ほどの
お金持ちの男も貧乏な男も同じだよ
という言葉には大きな前提があるはずですよね?
しかしここにはその前提となる情報がありません。
その前提が欠落したまま話が推移すると大きなズレが出てきてしまいます。
例えば前提として「女性ではないので」と一文が入れば当然この文章に疑問を持つ方はいないと思います。
しかし前提がわからないと本来は疑問を持つはずなのですが・・・
私たちの脳は結構優秀ですので
自分たちの推測でその前提を勝手に埋めてしまいます。
それがミスマッチになった時にお互いの不信感などにつながってしまいます。
③因果の欠落
因果の欠落とはどのようなものでしょうか?
これは原因と結果の関係が本当にあるのか?
例えばこんな感じです
遅刻をいっぱいするからあいつの将来はロクな奴にならない
なるほど確かにその通りかも?と思う反面
「本当にそうなの?」
と疑問に持ってしまいますよね?
このような文章や言語が「因果の欠落」です
わかりやすく言えば極論ですね
タバコを吸う人は早死にする
確かにそのような面がありますが、全員に当てはまる訳ではりませんよね?
原因と結果が密接な関係があるように感じる場合などがこの因果の欠落の歪曲になります
④憶測の決定
では4つ目の憶測の決定とはどのようなものでしょうか?
これは今までの3つと少し違います。
決めつけていることは一緒なのですが・・・
今までの3つが自分の気持ちが正しいという決めつけに対してこの
憶測の決定は相手の気持ちの決めつけです。
例えばこんな感じです。
みんなが私のことを嫌っている
これは自分の決めつけではなく相手の気持ちはこれだという決めつけです。
解説を続けると結局は自分の決めつけになるのですが・・・
このように「歪曲」と言っても細かく分けると4つの種類があります。
歪曲と全部一緒に扱っても問題はないのですが・・・
より細かく分類することでそれに対応する場合が少しづつ違ってきますので是非参考にしてください。
ではこのようなメタモデルの歪曲という名の思い込みがある方に対してどのように対処すれば良いのでしょうか?
色々な手段はありますが・・・
私が主にやる手法としては
「本当ですか?」
「もう少し詳しく話してもらいますか?」
「他に例はありますか?」
などの質問をしています。
相手はその考えが良い意味悪い意味囚われていますので
一度「本当にそうなのか?」と疑問を持たせることが必要になります。
その際に先ほど挙げた3つの質問をよく使っています。
ではもう少し具体的な会話例をあげていきます
具体的なメタモデルの歪曲の場合
上司:最近元気がないように見えるがどうかしたのか?
部下:仕事は順調ですよ
上司:仕事は?「は」ということは他に何か気がかりがあるのか?
部下:・・・ちょっとプライベートのことで・・・
上司:今ちょっと時間あるから話してみたら少し気が腫れるかもしれないよ
部下:実は・・・彼女とうまくいっていなくてもう別れるかもしれないんですよ
上司:何かあったの?
部下:はい・・・相手をめちゃくちゃ怒らせてしまって連絡が全く最近取れていないんですよ
上司:全くというとどれくらい?
部下:1週間ぐらいです。
上司:それは心配だね・・・今どう思っているの?
部下:1週間も連絡が取れないなんでもうダメでしょ!絶対彼女は自分と別れるつもりなんですよ
上司:どういうこと?
部下:いやいや1週間も連絡が取らないなんてありえないでしょ
上司:つまり1週間連絡が取れないから彼女は別れるつもりだということなのかな?
部下:いやいや普通そうでしょ!
このような場面がメタモデルでの「歪曲」的な考え方になります。
この部下では「1週間連絡が取れない=別れるつもりだ」という思い込みがあります。
しかし、上司である方は、確かに別れる可能性もなくは無いけど、まだ決め付けるには早いんじゃ無いかな?と思っている感じです
はたから見たら思い込みはとても本人よりも早く気づくことができます。
しかし、実際にこの場合上司の方が
「そんなの思い込みだよ!決め付けるなよ」
といったとしたらどうなるでしょうか?
おそらく部下がは上司は何もわかっていないという感じで落胆する可能性が高いのでは無いでしょうか?
ここでの上司としての目的は思い込みを外してもう少し前向きになってほしいということだと思います。
ではこのような場合具体的にどのように上司として対応すれば良いのでしょうか?
上司:つまり1週間連絡が取れないから彼女は別れるつもりだということなのかな?
部下:いやいや普通そうでしょ!
上司:今まで1週間ぐらい連絡が取れなかったことってあったの?
部下:さすがに1週間はなかったですよ
上司:ではどれくらいはあったの?
部下:過去には研修とかで4、5日連絡が電話が取れないことはありましたよ
上司:4、5日はあったんだね
部下:はいありました。
上司:今どのように思った?
部下:最長5日はあったけど・・・さすがに7日はどうなんでしょう・・・
上司:どう思いますか?
部下:やっぱり長いと思います。
上司:では少し彼女の気持ちになって考えたらどう思いますか?あなたにめちゃくちゃ腹が立っているさてどうするでしょうか?
部下:ちょっとお灸を据えてやろうと思うと思います。
上司:例えば?
部下:連絡を無視するとかですかね?
上司:私は彼女のことをわからないからなんとも言えないけど、そう思うだね?で自分はどうした良いと思う?
部下:彼女のことを考えるなら何度も真摯に謝るべきだと思います。
上司:では具体的にどのように謝っていこうか?
まあこのような感じで展開するのではないかな?と思います。
メタモデルに関わる「思い込み」全般に言えることですが、相手はそれが真実だと思っています。
ですからまず相手の言葉を受け取ることが最重要だと思います。
メタモデルには他に一般化などもありますので、一般化ぜひ学んで見てください