動機付け理論(マズロー/ハーズバーグ/アルダファー/マクレガー)
まず皆様に質問です
「動機付け?」
と聞いてどのようなイメージをお持ちでしょうか?
人によっては聞いたことがない言葉かもしれません。
色々な動機付けの解釈があります。
ウィキペディアでは
動機づけ(どうきづけ、motivation、モチベーション)とは、行動を始発させ、目標に向かって維持・調整する過程・機能である
と説明してあります。
私が端的に説明するならば
生きがいと働きがい
となるでしょうか?
ここで日本人の国民性調査による質問によると興味深い結果が出ています。
このような質問を多くの日本人に行いました
「一生楽に生活できるだけのお金がたまったら、あなたはずっと働きますか?それとも働くのをやめますか?」
この質問の回答として
割合は年々下がっているとはいえ未だに一生働きたいが6割に達している
6割が一生はたらきたい
という答えを持っています。これは日本は突出しています。
日本人は本当に働くのが好きなんだよね〜
と海外の方に言われる所以ですね。
日本人は神様も働いていますしね(天照大神も機織をしているように)
またこれと同じように日本人らしいな〜と思う質問が
失業の不安を感じますか?
の質問に対しては
多かれすくなかれ不安を感じている人は
7割にも達している
このように経済的に豊かな人でも一生働きたいと願い、仕事の不安を持っているということがわかる
日本人ならではかもしれないですね〜
さて今日は働くことを望む人々が多い状況の中で働くための動機付けについて説明していこうと思います
キャリアコンサタントの動機付けの主な考え方
①マズローの「欲求階層説」
生理的欲求、安全の欲求、所属と愛の欲求、自尊の欲求、自己実現の欲求などがある
②ハーズバーグの「動機付けー衛生理論」
動機付けの要因、衛生要因
③アルダファー「ERG理論」
生存(existence) 関係(relatedness) 成長(growth)
④マクレガーの「x理論、Y理論」
これらを説明していきます
マズローの欲求階層説
マズローは基本的には欲求は5段階からなり、下の欲求が満たされて初めて上の欲求を望むようになるという「欲求階層説」を説いている。
まず最初の欲求として生理的欲求、次に安全の欲求、次に親和欲求、次に承認欲求、最後が自己実現の欲求の順になっている。下の図のようなピラミッドの構造を考えてもらえればわかりやすいかもしれないですね
下の欲求が満たされると自然と次は上の欲求を充したくなるという理論です。
生命の危機例えばお腹が空きすぎて死にそうな時に、相手からの承認欲求などを求めたりはしないつまり何か食べるものが欲しいという欲求が大部分になるという考え方です。お腹が満たされたら今度は定期的に飢えなくて生きていけることを望むという欲求には順番があるという考え方
ハーズバーグの動機付けー衛生理論
ハーズバーグはモチベーションの要因として、仕事への積極的に動機づける要因(動機付け要因)と仕事に対する不満となる要因(衛生要因)があるとした。衛生要因には会社の方針、運営の仕方、監督者、給与、人間関係等が含まれる。
まあ俗に言う会社への不満が「衛生要因」ですね
衛生要因を改善していくと不満は確かになくなるが、それ以上改善しても、仕事に対する積極的な動機付けにはならない。
そうなんですよね〜不満をどんなになくしてもなくなったからといってやる気になるわけではないという理論です。ではやる気になるにはどうしたらよいのでしょうか?
それをハーズバーグは次のように言っています。
積極的な仕事への動機付けを図るには、仕事そのものの面白さや達成感であり、それに伴う承認、責任の増大、昇進等であるとしている。
ポイントととしては
・仕事そのものの面白さや達成感
・それに伴う承認、責任の増大、昇進
となっています。ですから仕事が楽しくて達成感があって、認められて、昇進すればやる気になりますよ〜とのことです
アルダファー「ERG理論」
アルダファーははマズローの欲求説ではなかなか検証できないと考え、よりこの考えを発展修正させました。
マズローの欲求説はわかるんだけでど、検証できなくない?と考えて、より検証しやすいように簡素化したとも言えるかもしれません。
そのような経緯の中、アルダファーは欲求を3つに分けました。
欲求は
生存(existence)
関係(relatedness)
成長(growth)
の3つのコア(核)であるとした。
生存とは文字通りの生存の欲求です。企業内においては給与、雇用の保証、安全な職場環境等が含まれる。
関係とは同僚、友人、家族との人間関係が円滑であってほしいという欲求である
成長とはマズローでいう自己実現と似ているが、自らの能力を伸ばしたいという欲求であるとした
この理論はそれぞれの頭文字をとってERG理論と呼ばれている。これはデータで示せる場合が多く、支持する研究者が多い。
個人的な見解としてはこの理論はわかりやすくなっていますね。
マクレガー X理論ーY理論
マクレガーは
「人間は本質的に労働と責任を嫌い、自発的に働くことはしない」(X理論)
「人間は基本的に仕事を楽しむ性質を持ち、報酬や罰則といった外的動機付けがなくても承認や自己実現などの内的欲求によって自発的に働き、しかるべき責任を取ろうとする存在である」(Y理論)
という2つの人間観があり、それに基づく人事労務管理が行われているといっている。
Y理論が機能するのは、人間には「自己実現」や「自尊」の欲求があるからとされ、このことからマズローの階層説がビジネスでも注目されだした経緯がある
この理論は簡単に言えば、人はサボる生き物だと考えるか?人は働きたい生き物か?と考えるとわかりやすく感じます。
この考え方は経営者の社員教育に如実に現れます。
社員がサボるものだと考える経営者は、なるべくサボらないように、システム化したり、監視をしたりする方向を考えていきます。
また人は働きたいものだと考える経営者は、研修にバンバン行かせてより学んでもらおうとする方などが多いように感じます
どちらが良い悪いというのはわかりませんが・・・
私が働くなら人は働きたいものだと考えている経営者のもとで働きたいかな?と思います。
動機付けの理論の各種まとめ
動機付けの主な理論は主に4人の理論があります。以下の4人です。マズローハーズバーグ/アルダファー/マクレガー
●マズローの「欲求階層説」
生理的欲求、安全の欲求、所属と愛の欲求、自尊の欲求、自己実現の欲求などがある
●ハーズバーグの「動機付けー衛生理論」
動機付けの要因、衛生要因
●アルダファー「ERG理論」
生存(existence) 関係(relatedness) 成長(growth)
●マクレガーの「x理論、Y理論」
「人間は本質的に労働と責任を嫌い、自発的に働くことはしない」(X理論)
「人間は基本的に仕事を楽しむ性質を持ち、報酬や罰則といった外的動機付けがなくても承認や自己実現などの内的欲求によって自発的に働き、しかるべき責任を取ろうとする存在である」(Y理論)
私が個人的に好きなのはマクレガーのY理論ですね〜多くの人は今働いている人が本当はもっと楽しみたいと思っています。
しかし何かしらの障害があるのです。
見える障害もあれば見えていない障害もあったりします。
その障害を乗り越える方法などを相談者と一緒に探していくのが私の仕事だったりします
ではキャリアコンサルタントとしては他にどのような理論を理解しておく必要があるのでしょうか?
多くのキャリアの理論を知ることがまず最初のスタートになります