組織キャリアの諸理論

今日は組織キャリアの諸理論について書いていきますね

そもそも組織キャリアとは?

働く人の多くは、組織の中でキャリアを形成しています。組織の中で個人のキャリアはどのように形成されるのか?またどのようなキャリア上の課題や問題があるのかを理解することが必要です。

組織心理学のシャイン(Scheine,E,H.)とホール(Hall,D.T.)の理論が有名です

シャインのキャリア理論

シャインは、組織心理学の立場から組織と個人との相互作用を重視し、また発達的視点から個人の成長に着目し独自の理論を構築しました。

組織は個人の職務遂行に依存し、個人は仕事およびキャリアの機会を提供する組織に依存している

組織と個人が組織へのエントリーの時点だけでなく、キャリア全体を通して、それぞれの要求をどう調和させるかが課題であるとしている

シャインの理論の主要概念

・3つのサイクル

・キャリアアンカー

・キャリアサバイバル

シャイン理論の3つのサイクル

シャインは、人が生きていく領域を「生物学的・社会学的」、「家族関係」、「仕事・キャリア」の3つに分け、それぞれにサイクルと段階を設けた。

「生物的・社会的」「家族関係」「仕事・キャリア」の3つのライフサイクルは、重なり合い相互に影響し合う

従って、組織の要求と個人の要求の調和をはかるためには、仕事やキャリアだけでなく、その他のサイクルの影響も考慮することが必要である

さらにシャインは仕事に関連するキャリアを「外的キャリア」と「内的キャリア」の2つの軸から捉えた。

キャリアアンカー

シャインは長期的な職業生活における個人の拠り所を「キャリアアンカー」と名付けた

自分のキャリアアンカーを理解することが、キャリア選択を明確にし、生涯キャリア発達を促すと考えた。

キャリアアンカーはいくつかのパターンに特徴付けられたキャリアや職業における自己概念(セルフイメージ)のことです

キャリアアンカーは次の3つの要素が複合的に組み合わさったものです

①自覚された才能と能力

②自覚された同期と欲求

③自覚された価値と態度

キャリアアンカーを確かめる3つの質問

「何が得意か?」

「何をやりたいのか?」

「何をやっていると自分が充実しているのか?」

この3つの質問から色々ヒントを探していく感じですね

キャリアサバイバル

個人の欲求と組織のニーズが互いに釣り合っていくことが必要であり、シャインはキャリアアンカーが実際の仕事として実現していくプロセスを重視し、個人が組織のニーズを分析するために行うべき「職務と役割の戦略的プランニング」の手続きを「キャリアサバイバル」という概念で示している

「職務と役割の戦略的プランニング」の手順

①現在の職務と役割を棚卸しする

②環境の変化を識別する

③環境の変化が利害関係者の期待に与える影響を評価する

④職務と役割に対する影響を確認する

⑤職務要件を見直す

⑥職務と役割の戦略的プランニングエクササイズの話を広げる

ホールのキャリア理論

ホールのキャリア理論は、現存のキャリア発達理論のスーパー先生と類似するところも多い

ホールのキャリアに関する理論は、キャリアは他者との関係の中で互いに学び合うことで形成されていくとする関係性アプローチである。

変化の激しい現代においては、依存的でもなく、独立的でもない、相互依存的な人間関係の中で学び続けることによってキャリアを築いていくことができると考えている

ホールのキャリアの定義

「キャリア」という言葉の意味を4分類した。

①昇進 
②専門職 
③生涯と通じた職務の連続
④生涯を通じた役割に関する経験の連続

キャリアの定義byホール

・組織階層的に上方へ移行するのがキャリアであるとはしない

・キャリアにおける成功や失敗はキャリアを歩んでいる本人によって評価されるものであり、他者によって評価されるわけではない

・キャリアは行動と態度から構成されており、キャリアを捉える際には、主観的なキャリアと客観的なキャリアの双方を考慮する必要性がある

・キャリアはプロセスであり、仕事の経験の連続である。

ホールは1980年代の産業社会に於ける構造改革によって、従業員と企業との紅葉関係における心理的ん契約が変化したとしました

 

ホールのキャリア
プロティアンキャリア

ホールは従来の伝統的倫理的契約に変わる新しい心理的契約として、プロティアンキャリア契約を提唱している

プロティアン:ギリシャ神話の神プロテウスから名付けた。変幻自在であることを意味している

プロティアンキャリアの定義

・組織によってではなく個人によって管理されるもの

・キャリアを営むその人の欲求に見合うように、そのつど方向転換されるもの

主に考える主体は個人のことで、成長と自由度を重視し、いつでも移動、異動できることを是とし、自分が成功できたと思えば成功なのであり、他人の評価をそこまで気にしない。重要なアイデンティティとしては自分を尊敬できるか、自分は何をしたいのかである。まあこんな感じをメインとして契約して働くほうがよいですよ〜という考え方。

プロティアンキャリアに必要な2つのメタコンピテンシー
(メタコンピテンシー:meta-competency〔変化に対応し、新たな能力を自ら学習していく能力、行動特性〕)

キャリアは生涯を通じた経験・スキル・学習・転機・アイデンティティの変化の連続であるとホールは考えた

プロティアンキャリアを実現するために必要な2つのメタコンピテンシー

①アイデンティティ(自己が環境や時間の変化に かかわらず、連続する同一のものであること)
②アダプタピティ(アダプタビリティとは適応できる、順応できるという意味です

アイデンティティのの2つの構成要素

①自分の価値観・興味・能力・計画に気づいている程度

②過去と現在と将来の自己が統一されている程度

変化の激しい時代に自らのキャリアを合わせていくことが求められるプロティアンキャリアにおいては、今まで以上に自らの価値観や興味に気づいていること、過去の自分、現在の自分、未来の自分が連続しているという確信が必要となる

もしそうでなければ、ただ変化に自分を合わせるだけになってしまい、本当に意味でも心理的成功感を得ることができなくなってしまう

ホールはアダプタビリティと適応を区別し、アダプタビリティを能力やコンピテンシーだけでなく動機付けも含むものとして、次のモデルを提唱しています

アダプタビリティ=適応コンピテンス✖️適応モチベーション

適応コンピタンス
アイデンティティの探索、返納学習、総合力

適応モチベーション
適応コンピテンシーを発達させ応用しようとする意思

ABOUTこの記事をかいた人

高木鉄平

運営者:高木鉄平 1978年生まれ。26歳から事業を起こし累計で30億円以上売り上げた実績を持っている。 2010年よりコーチングやカウンセリングを主体とした人材育成を各種企業団体で行っている。育成人数は述べ5000人以上!詳しいプロフィール「高木鉄平」をクリック