経済社会の動向とキャリア支援の動向
「キャリア形成を支援する労働市場政策研究会報告書」によると
経営人事管理の新たな動向
「事業の選択と集中」がキーワード
グローバル経済の中で企業間競争の激化、IT等の技術革新などを背景に
社内での人材の流動化促進や人材の活用のために、社内公募性を導入
社内の各職場の理解、ポストの能力位要件の明示、キャリアコンサルティング制度、研修制度の組合せが不可欠となってきている。
企業内の能力開発については
「企業主導の職階的な訓練から、個人の選択による訓練に重点が移っている」
「中長期的には、人材育成に力を入れる企業がさらに強くなるなど、人材投資の姿勢により2極分化の可能性」を「キャリア形成を支援する労働市場政策研究会報告書」は指摘している
平成23年版労働経済の分析
1990年代は職業の能力開発に対する労働者の主体性を重視する考え方が強調されていたが、2007年の調査によると企業の経営戦略に沿って職業能力形成が行われる方向へと、企業の人材育成方針へ重点が移行している
よって2000年代に入り、企業内キャリアコンサルティングに対する注目の高まり。高度経済成長期の会社任せの人材育成とも、その後の本人任せの人材育成とも異なる、より自覚的、意識的な経営戦略や育成方針と関連付けたキャリアコンサルティングに注目が集まっている
キャリア形成支援の必要性これは社会的経済的な動向から今後も続くと考えられる。
常日頃、職業やキャリアとの関わりが深そうな社会経済的な事象に、強い問題関心を持つこと
同時代の同じ社会経済的な嵐に見舞われても、それを難なく乗りこなしていく人間もいれば、大波に飲み込まれてしまう人間もいる
その違いは本人の持てる資質、育った環境、それまでの学歴や職歴など、様々なものから生じる。
キャリアコンサルティング及びキャリア形成支援では、そうした個々人の事情も合わせて勘案できなければならない。
経済社会環境が急激に変化し続け、予測のつかない不透明な時代となり、労働者、個人は一回限りの職業人生を、他人まかせ、組織まかせにして、大過なく過ご せる状況ではなくなってきた。
すなわち、自分の職業人生を、どう構想し実行していくか、また、現在の変化にどう対応すべきか、各人自ら答えを出さなければ ならない状況となってきている。
この意味において、「キャリア」(関連した職業経験の連鎖)や「キャリア形成」といった言葉が、労働者の職業生活を論ずるキーワードとなりつつある。こうした動きを単に時代の流れに対応させるための受動的なものと受け止めるのではなく、これを契機として個人主体のキャリア形成の動きを積極的に位置づけ、企業や社会の活性化を図る方向に向けていくことが重要である。