一時帰休の条件とその問題点

今日は一時帰休と一時解雇(レイオフ)との違いを解説していきます。

まあ字は似ていますが全然違いますので解説していきますね

一時帰休とは?

そもそも一時帰休とはなんぞや?

簡単にいえば「休職」という理解で良いと思います。

会社の業績が悪化していき、その分仕事がなくなってくる

仕事ないから会社に出勤せずに休んでいて良いよ〜

というのが一時帰休です。

「休職」とも言えるし「休業」ともいえます。

例えば今回のコロナのように

飲食店を一時的に閉めるからその分では「休業」とも言えますし、

働く飲食店が空いていないので本人的には「休職」となります。

まあ簡潔に言うと

仕事ないからちょっと休んでいてね〜でも解雇じゃないからね

という感じですね。

ではこの一時帰休の場合、給与はどうなるのでしょうか?

一時帰休の場合の給与

簡潔に言うと・・・

ほとんどの場合、会社側は給与の6割を支払う義務が生じます。

労働基準法第26条に

「使用者の責に帰すべき事由による休業」

という言葉で一時帰休について認めていますが、その条件として使用者は休業中の従業員には平均賃金の6割以上の給料を支払わなければならないということになています。

しかしこれが労使の感覚で全然違ってくるから厄介なのです。

例えば今回のコロナで飲食店が営業できない状況になったとします。

経営者側からすれば、コロナで売り上げがないにもかかわらず、6割も給与なんて払えるか?

となります。

しかし従業員からしたら給与の4割カットなんて生活できないわよ〜

となります。

経営者側から言えば、働くという対価なしに給与の支払い義務だけがあるという感じですし、

従業員側からすれば、私はいつでも働く気があるにもかかわらず給与が4割もなくなるなんてありえない

とまあなるわけです。

会社の規模がある程度お起きれば、ある程度の期間耐えることができるでしょうが・・・

中小企業で言えば、とても耐えられないと考えられます。

理由は売り上げがない状況で何ヶ月も耐えることなど難しいからです。

いやいや今回雇用調整の助成金があるじゃないですか?

と思いの方、もちろん今回はコロナ対策であります。

この一時帰休の給与のほとんどを国が出してくれるとなります。

しかし、国からこの一時帰休の助成金が出るまで手出しで給与を会社側が払い続ける必要があるのです。

で、ここで経営者側の考え方がでます。

今回のコロナでの休業て・・・

労働基準法第26条の「使用者の責に帰すべき事由による休業」

に当てはまるのか?と疑問に持つ経営者がでてくるのです。

例えば、ショッピングセンターに入っている飲食店で、ショッピングセンターが勝手に休むと判断された場合など

ショッピングセンターに入っている飲食店には店を開ける閉めるの選択権はないわけですよ

その選択権がないにもかかわらず労働基準法第26条「使用者の責に帰すべき事由による休業」はおかしくないか?

と考える経営者がいても不思議ではないのです。

だって経営者の選択じゃないじゃないか?となるからです。

ここで、だから6割の休業補償は払わないという考え方も成り立つのです。

しかし従業員側にとってはこれは困ります。

いきなり給与が0になるのです。これは耐えられそうにありません。

で経営者側は考えます。

このままではおそらくコロナ解除後も売り上げは伸びない。

で次のような考えを持つ経営者もいます。

コロナは続くだろう・・・

休業補償を払い続けることはできない。

従業員のことを考えると給与が6割しかもらえないのなら、解雇して失業保険をもらったほうがお得かもしれない

解雇なら6ヶ月は出るし、会社負担もない。

もし職場の状況がよくなれば戻ってきてもらえば・・・

と考えたり経営者側はするわけです。

この考え方は経営者側の立場に立てばすごく良いアイデアに聞こえます。

会社負担はないし、今後の長期雇用の見込みも見えないし、本人の手元に残る金額も増える

というメリットが考えられて実際にこのような形をされた経営者も多かったと思います。

その代表例がタクシー会社「ロイヤルリムジングループ」でした。

経営者は、タクシーの運転手は歩合の分が大きかったので基本給での計算での失業保険よりも早いうちの失業保険のほうがより運転手の手取りが増えるから急いで解雇する形にしていきました。

しかし世の中からバッシングをかなり強く受けてしまったという感じでしたが・・・

どちらにしても一時帰休は経営者側にとっても、従業員に取っても良いことではないので、本当に残念です

どちらが良い悪いとは私てきには言えませんが、どちらの立場もわかるだけに本当に難しい感じがします。

今後もまだまだコロナの状況は続くと思いますので、どこまで耐えられるか?いっそ廃業するか?など多くの問題がでてくるだろうと考えられます。

一時帰休の問題点としては結局

労働基準法第26条の「使用者の責に帰すべき事由による休業」

の問題が厄介です。

まあこの文言があるからこそ国や県も「休業の要請」しかしないのではないかなと考えられます。

もし国が強制的に営業するなとなれば、労働基準法第26条の「使用者の責に帰すべき事由による休業」に当たらなくなり、一時帰休の支払い義務が経営者側になくなると考えられるからです。

本当に難しい問題だと思っています

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運営者:高木鉄平 1978年生まれ。26歳から事業を起こし累計で30億円以上売り上げた実績を持っている。 2010年よりコーチングやカウンセリングを主体とした人材育成を各種企業団体で行っている。育成人数は述べ5000人以上!詳しいプロフィール「高木鉄平」をクリック