今現在の雇用情勢は大きな変化が起きている
その一つが身体障害者・知的障害者・精神障害者の雇用数の増加です。
特にその中で精神障害者の雇用が急増していることをご存知だろうか?
厚生労働省が発表している2015年6月のデータには次のように発表しています。
精神障害者数の雇用数はは約3万5000人
5年前は約1万人ぐらいで9年前はわずか約2000人だったことから考えるとこれは膨大に急増している。
そもそも精神障害者が10年前はわずか2000人ほどしか採用されていなかった理由としては、精神障害者は見かけ上、健常者と変わらないため、職場ではさまざまな問題も起こしていたからです。
見た目が健常者と変わらないために、健常者と同じレベルの仕事を求められ、それに答えられない場合に、上司部下同僚などと衝突を起こしてしまうという軋轢を多くの経営者が嫌がったためだと言われています。
もちろんこのような場面が今は一切なくなったかというとそうではありません・・・
しかし障害者雇用は増加しています。
厚労省が今年5月に発表した統計によると、ハローワークを通じて就職した精神障害者は2015年度、約3万8千件になりました。
これは身体障害者が約2万8千件よりも知的障害者の約2万件よりも多くなりました。
ですから今は身体障害者よりも知的障害者よりも精神障害者雇用数の方が多くなっているのです。
ここでは補足として全体の人数も示しておくと
身体障害者393万7千人
知的障害者074万1千人
精神障害者320万1千人
となっています。
増加の要因について、障害者雇用に詳しい九州産業大学の倉知延章教授は、「(義務化を前に)企業が雇用を進めている。法令遵守し、社会的評価を意識しているんだろう」と話していました。
ではその法令とは?
「障害者の雇用の促進等に関する法律」(障害者雇用促進法)です。
この法律には定める法定雇用率を上回る障害者を雇用することが定められています。
このため民間企業で50人規模以上の企業は、法定雇用率2.0%の障害者を雇用する義務があります。
つまり従業員50人に対して1名の障害者雇用が定められていることになります。(※2013年(平成25年)4月1日より法定雇用率が2.0%に引き上げられました。)
障害者の雇用は着実に増えていますので、このままいけば問題ないように思われますがそう簡単なものではありません。
特に精神障害者雇用特有の大きな問題点があります。
では精神障害者雇用の大きな問題点はなんなのでしょうか?
それは
長期就労が難しい
という点です。
少し解説していきたいと思います。
精神障害者の就労期間は基本的に短くなる傾向が高いです。
独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構の調査(2008年〜2011年)によると、ハローワークを通じて就職した精神障害者の半数以上は1年以内に退職している。
精神障害者は「少しでも長く働きたい」と考えているにもかかわらずにです。
この問題が今大きな問題になっています。
障害を持っている方の多くは長く働きたいと思っています。
ですので、周りの理解があれば長く続けられる場合が多いです。
身体障害者や知的障害者は外見からの特徴などで周りの理解を得やすいので比較的に長く働くことができるのですが
精神障害者は見た目は健常者と変わりませんので、多くの誤解を生み就労が短期になっていると考えられます。
このような状況を変えるためには、職場に多くの理解者が必要になってくるのです。
そのような役割も多くのカウンセラーやコーチなど求められるかもしれません