防衛機制とは?
言葉だけを見るとなんのこと?と考えてしまいますが、これも立派な心理学の用語の一つです。
ちょいと難しそうな感じがしますが、心の問題を考える上で、とても重要な言葉です。
今日はこの「防衛機制」について、なるべくわかりやすく説明してみます。
防衛機制の意味
「防衛機制」とは、自分自身の心を、さまざまな方法で守ることです。
たとえば、私たちがテンパった時に、うわーとなって考えがまとまらなくなったり、あああ言ってるだけで実は何も手につけていなかったことが今までの人生で一度くらい程度の差こそあれあったとと思います。
もちろん、自分がうまくそれを乗り切ったりや他人の援助で、なんとか踏ん張って、危機的状況を乗り越えられれば問題ないのですが、残念ながらいつもうまくいくとは限りません。
何がうまくいくかはここでは置いておきます
そんなときに、心が分裂したり、崩壊したりすることを防ぐ心のメカニズムが、「防衛機制」です。
ありていに言えば私たちが自分を卑下しなくて良いように勝手に出来事の意味合いを変えて自分を守ろうとする心理反応です。
この「防衛機制」をウィキペディアでは次のように定義されています
防衛機制とは精神分析で用いられる用語であり、欲求不満などによって社会に適応が出来ない状態に陥った時に行われる自我の再適応メカニズムを指す。広義においては、自我と超自我が本能的衝動をコントロールする全ての操作を指す。
元々はジークムント・フロイトのヒステリー研究から考えられたものであり、後に彼の娘のアンナ・フロイトが、父の研究を元に、児童精神分析の研究の中で整理した概念である
では防衛機制とは一体どのようなものがあるのでしょうか?
ここでは幾つかの例をあげていきます。
防衛機制の各種
防衛機制①抑圧
自分自身の中で、自分自身が受け入れられない考え方や感情、記憶を否定し、なかったこととしたり、無理矢理忘れようしたりすることです。
世間からの避難・嘲笑・拒否を恐れて、無意識に欲求を表すことをしなかったり、満足を諦め我慢すること
防衛機制②抑制
損か得かを理屈で考えて、あるいは状況を考慮して、意識的に欲求の表すことをしなかったり、満足しない選択をすること
防衛機制③昇華
現実の社会で認められない欲求や衝動を、芸術やスポーツといった誰にでも認められる高次の価値を実現することで、発散します。
例えば、性的欲求を詩や小説に表現 することなどである。
めっちゃいい方法に感じますね
防衛機制④合理化
何かと理由をつけて、自分自身の正当性を確保したり、ほかのものに責任転嫁をしたりすることです。
イソップ寓話『すっぱい葡萄』が例として有名
防衛機制⑤置き換え
実際に不安や恐怖、怒りを感じる対象ではなく、代理となるものに、その不安や恐怖、怒りを感じたり、ぶつけたりすることです。
例としてこんなことわざが「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」
防衛機制⑥知性化
感情や痛みを難解な専門用語を延々と語る などして観念化し、情緒から切り離す機制
出来事を理屈をいっぱい語ることでなんとか落ち着かせようとする場合など
防衛機制⑦退行
耐え難い事態に直面したとき、現在の自分より幼い時期の発達 段階に戻ること。
戻ることで自分が心地よい環境にいる状態に戻ることで自分を守ろうとすること
防衛機制⑧逃避
「葛藤」を引き起こすような状況から逃げ出すことで、不安や緊張、恐怖をなくし、自分自身を守ろうとすることです
現状が苦しいので、他のものに心的エネルギーを出して、現状の苦しさを回避すること
防衛機制⑨同一化
他人が持っている優れた能力や実績を、自分のものであるかのようにみなしたり、感じたりすることです。優れている他人と同じような行動をすることも含まれます
防衛機制⑩投影
自分自身が「抑圧」している考え方や感情を、ほかの人が持っているように感じてしまうことです。
例えば、自分が性的な欲望を感じている相手に対し、相手が自分に情欲を感じていると思い、「誘惑されている」と勝手に感じたりする
防衛機制11反動形成
「抑圧」した考えや感情と正反対のことをする「防衛機制」です。
自分の弱さを人に知られたくないし自分も認めたくないので、それを克服すべく他の極端に走る。
防衛機制12補償
たとえば、勉強ができないという劣等感を、スポーツをがんばって、ほかの人より優れることで補おうとするようなことです。
防衛機制にとらわれない方法
今まで防衛機制を説明してきましたが・・・
防衛機制を理解することでこの防衛機制に振り回されないでくださいね〜ということなのです。
私たちは自分自身を守るため「防衛機制」が働くことは至極当然だと思います。
私たちや良い意味でも悪い意味でも痛みを避けることを主の目的としています。
しかし言い方をかえると防衛機制は自分自身の見たくない姿を見ないようにすることとも言えるかもしれません
私たちは意識無意識に関わらず、防衛機制が働きます。
もう少しわかりやすい例をあげると・・・
あなたが山道でクマと出会ったとします。その際にどうしますか?ということです。
恐怖で立ち止まるかもしれません。もしくは恐怖で逃げ出すかもしれません。また恐怖でうわ〜と叫び出すかもしれません。また恐怖で幼児退行してしまうかもしれません。恐怖で神様と叫ぶ方もいるかもしれません。自分は大丈夫と思い込む方もいるかもしれません。
など私たちは恐怖を感じた際に、色々な反応を起こします。
この意識、無意識の反応のことが防衛機制と説明するとわかりやすいかな?
防衛機制のまとめ
防衛機制をまとめると防衛機制とは「自分を精神を健全に守る安全弁」であると言えるかもしません。
わかりやすく説明すると
めっちゃくちゃ欲しいゲームがあったとします。しかしお金がない・・・
この状況だと精神がおかしくなるということで・・・
と思い込むことで精神の安定を測ろうという考えです。
これと全く同じ内容のことわざに「酸っぱいぶどう」というものがあります
イソップ童話の1つですが・・・
お腹を空かせた狐は、たわわに実ったおいしそうな葡萄を見つけた。食べようとして懸命に跳び上がるが、実はどれも葡萄の木の高い所にあって届かない。何度跳んでも届くことは無く、狐は、怒りと悔しさから「どうせこんな葡萄は酸っぱくてまずいだろう。誰が食べてやるものか」と負け惜しみの言葉を吐き捨てるように残して去っていった。
これこそ防衛機制の具体的な例になります。
自分が欲しくて欲しくてたまらないものがあった場合、それが手に入れることが困難だと思った際に私たちは心の平穏を得るために、防衛機制が働くということなのです。
防衛機制に対しての個人的な見解
防衛機制が働くということは決して悪いことばかりではありません。
見つめ直すことで自分自身が何を恐れているのか?が明確になっていきます。
客観的に事実を見つめるということは、簡単なようでとても難しいものです。
しかしこの防衛機制を理解していれば、自分自身に「防衛機制」が働いているんだな〜という感じで受け入れることができるのです。
そうすると、自分を卑下する必要もなくなり、自己肯定感を損なわずに問題に対処することができるのです
ただ本当に欲しいものを諦めるという行為はとてももったいないとも思ってしまいます。
多くの方とお話をさせていただくと最終的にやりたいということが防衛機制が働いて忘れたとしても・・・
最終的には思い出してしまうのです。
とこの思い出すのがいつになるかは人によりますが、最終的に思い出すのが死ぬ前だと言われています。
もっとチャレンジすればよかった
もっと大恋愛をすればよかった
もっと人に優しくすればよかった
など多くのことを思い出してしまうと言われています。
ですので防衛機制を理解した上で本当にやりたいことにチャレンジして欲しいかな?と個人的には思います。
しかしチャレンジすることは多くの方にとって「怖い」と感じるものです。
その怖さを理解することがまずは最初のステップかな?と私は思っています。
チャレンジを怖いと思ってしまう理由はこちらの記事に詳しく書いております