私たちは多くの場面で次のようなことを言われ続けます。
それは
「人のせいにしてはいけない」
です。
人のせいにしては喧嘩の元にもなりますし、何も進展しないのでこの考え方はもちろん正しい。
何度も何ども会社や学校などで
何か問題が起きた時、他の人のせいにするな!
と言われ続けてきましたし、また
常に原因は自分にあると考えなさい!
という教育が学校や社内でおこなわれてきました
確かに
「自分に原因がある」
「改めなければならない」
「責任を取らなければならない」
そういう心構えで仕事にのぞむことは、素晴らしいことだと思います。
しかし、常に自分に原因があるかのように振る舞うことの問題も昨今見てきました。
ケース①
本当に責任がない場合
「本当にその人には責任がない」場合もあります。
自分が悪いと思ってしまうと残念ながらそこから思考が働かなくなります。
「自分が悪いんだから仕方がない。処罰を受けよう」
もっとものように聞こえますが・・・
それで何かが解決するわけでも進展するわけでもありません。
しかし本人には思考が働かずにその結果しか考えられないのです。
で、最終的に最悪な展開は
「責任を取って辞めます」
になります。
そのことを考えが及ばすに
「やる気が足りないから売れないんだ!」と責める上司がいたりする。
飲食業などでも
「顧客に対する誠意が足りないから、来店数が落ちるんだ」
と店長を責める上司がいる。
素直な部下や彼らは、自分を責めます
「オレは無能だ。努力が足りない」
しかし、それは正しい時もあるが、100%正しいことは少ない。
根本的に商品がダメなケースもあるし、味が悪ければ客は来るわけがない。
また立地や競合、広告や人員など多くの問題があるはずなのである
このことは実は彼らもわかっている場合が多い
しかし・・・
言えないのである
余計なことを言ったら倍返しを上司から言われるし・・・
確かに全部ではないとは思うが自分の責任も痛感している
だから・・・
困ってしまい
とりあえず今できることを頑張る
しかし今結果が出ていないのですから今のパターンをしている限りは結果はついてこない
でも頑張るしかない
と思って働いていきます。
しかしまた上司の叱責が始まります。
自分はこんなに頑張っているのに・・・
それでもダメなら
「責任を取ります」
となるのである。
しかし上司はこのような気持ちの変化を気づいてない方は
上司によってはこれを
「逃げた」
と考える
そこでさらに問い詰める・・・
悪循環に入ってしまうのである
先日、ある経営者の方と話をした時、自己責任についての話が出た。
彼はこのように言った。
「事業や会社がうまく行かなくても自分の責任を気にしすぎてはダメですよ」
「どうしてですか?むしろ人のせいにするな、と教わりましたが…」
「自分を許すことは大事なのです」
「自分を甘やかすことになりませんか?」
「自分を責める人は、恐ろしいことに、同じように人のことを責めるようになります。「なんでオレがこれだけ頑張っているのに、あいつは遊んでるんだ」?と。心の強い人でも、徐々にそうなります。」
自分を責める人は、他者に対する寛容さを失いやすい、と彼は言う。
もちろん、何も考えず責任を他者に押し付けるような真似は論外だが、ハナから自分の責任とする考え方もまた、等しく危険である。
「原因はどこにあるのか?」は、常に冷静に考察されなければならない