日本的経営とキャリア形成支援
日本においてのキャリアがどのように推移して行ったのか?またそれに伴い労働調整や人材育成の方針、今後の課題等を書いていきます
日本の雇用調整の手法
平成26年版「労働経済の分析」では、戦後の景気後退局面における雇用調整の手法の変化があった
1973年の第一次石油ショック
中途採用の抑制や残業規制の方法が多用されてた
その後、中途採用の抑制は徐々にそのウェイトを低下させ、残業規制が代表的手法へ
配置転換、出向、希望退職等の募集等の正規労働者に係る雇用調整手法は引き続き見られる。
過去の景気後退局面から比較すると、
臨時、パート等の再契約停止・解雇が大きく増加し、賃金等労働費用の削減も増える
雇用の削減を伴う雇用調整
正規の雇用労働者は残業規制や配置転換、出向、希望退職等の募集などがある
非正規雇用労働者は再契約停止、解雇などがある
賃金コストの削減
残業規制による所定外給与の削減、賞与の削減、賃金引き上げの見送り等
特に景気後退期:1970年代中途採用の抑制、残業規制が中心。次第に残業規制が中心となり、配置転換、出向などが増えてきた。
1990年以降、非正規雇用労働者を再契約停止、解雇によって雇用調整を行ってきた
現代日本における人材育成上の課題
労働政策研究研修機構が2014年に発表した「人材マネジメントのあり方に関する調査」結果
人材育成上の課題として
「業務が多忙で、育成の時間的余裕がない」
「上長等の育成能力や指導意識が不足している」
「人材育成が計画的・体系的に行われていない」
特に「中堅層」において顕著な課題となっている
企業内で中心的に働いている中堅層によると
「専門性の高まりに伴い、人事部門では育成内容の当否が見極められない」
そう感じる中堅層の割合が多い
管理職の課題として、管理職に不足している能力
「部下や後継者の指導・育成力(傾聴・対話力)」
「リーダーシップ、統率・実行力」
「新たな事業や戦略、プロジェクト等の企画・立案力」など
部下などを育てる力、引っ張っていく力、新たな事業を立ち上げる力が不足している現状
個人主導のキャリア開発と企業主導のキャリア開発の今後の行方
個人主導のキャリア開発が進んでいる
理由として過去1年間の自己啓発の実施の有無別年収分布
自己啓発を行っているものの方が高い所得を得ている
自己啓発と所得には一定の関連性がある
個人主導のキャリア開発が少なくとも本人自身に良い影響をあたえるであろう。
実際に個人主導のキャリア開発は、受け身の研修などと違い本人が望んで行っている点で効果も高いとも言える。
キャリア形成を考える上でより身近な問題が給与の問題です。
給与体系のことも知っておくことがキャリアコンサルティングやコンサルタントには必要な知識になります。
給与体系のこと記事にしておりますのでそちらもご覧ください。